2005年5月下旬 上高地 曇→晴
盛り沢山の遠征となったので、テーマごとに掲載してみます。まずは、これだけで大満足の沢の上部での蝶の撮影です。
「
鳥蝶ビデスコ」のMさんと上高地へ行く。狙いは当然、クモマツマキチョウ。数日前に見事に撮影している「
有峰棲」のSさんに発生状況などを教えていただいたので、同じ沢へ向かった。
駐車場までは雨模様で、歩き始めてからも太陽が出ないが、回復を信じて登って行く。やはり沢登りは大変で、思った以上に時間がかかってしまったが、天気も良くないのでゆっくり登って行く。何とかポイントへ到着したが、雲が多く蝶の姿はない。
1時間以上待ってもあまり変わりがない。ポイントの中でも下の方にいるMさんと相談しようと降りて行く途中でミヤマハタザオにオレンジの卵を見つけて撮影する。卵だけでも十分に鮮やかなオレンジだ。
撮影している最中に急激に天気が良くなってきて、目の前をオレンジの蝶が飛んでいった。急な斜面だが、精一杯の早さで追い掛ける。下へ降りたものが、戻ってきてスミレに止まった。卵の撮影の設定だったので、最初の1枚はまともに写っていないが、天候が回復した直後のせいか、比較的時間をかけて吸蜜してくれ、念願のクモマツマキチョウの雄を撮影することができた。写真でしか見たことがなかったが、本当に魅入られてしまう鮮やかなオレンジだ。初めて見た個体を撮影できたという信じられない幸運だ。
クモマツマキチョウ(雄・吸蜜)
幸運はこれで終わりではなかった。風が強いので、上に戻るよりもチャンスがあるかと、下の方で待機していると、求愛飛翔のペアを見つける。今回も慌てて追いかけながら、シャッターを切る。100メートルくらい下へ降りたところで、雌が止まった。飛翔はまともに撮れていなかったが、求愛を撮影。長い距離を逃げていたので、交尾にはならないと思っていたのだが、交尾が成立した。その間、感動しながらシャッターを押し続けた。
クモマツマキチョウ(交尾)
他には本州では初めて見る越冬後のコヒオドシが飛んでいた。吸蜜シーンは撮影できなかったが、静止したところを撮影した。
更に下からの風が強くなり、飛んでくる個体がなくなったので、少し早めに降りることにした。2回だけのチャンスを撮影できたのは本当に幸運だが、情報をいただいたSさんと同行のMさんに感謝いたします。
クモマツマキチョウ、コヒオドシの写真