2010年9月下旬
例年、シルビアシジミなど河川敷の蝶を撮影に栃木方面には秋に何度か出掛けています。
栃木といえばオオヒカゲの産地が何ケ所かあるのですが、この時期に行くことは考えたこともありませんでした。
ところが「コロポックル讃歌」のclossianaさんと、「90% Papillon」のpapilaboさんが産卵シーンの撮影に成功しました。こんな遅い時期の産卵という事実に驚きましたが、何度も足を運んだ努力の成果ですね。
そこで、午後にオオヒカゲのポイントを見てみることにしました。2人の場所とは少し離れていますが、似たような環境だと思います。
夏のポイントとは少し違う場所で複数の成虫が観察できました。
ボロですが、開翅は初撮影です。
オオヒカゲ(静止)
どうやら、この辺りが産卵ポイントのようです。卵を探すとすぐに見つかりました。
オオヒカゲ(卵)
新鮮な卵が多いようで、一ケ所だけ卵殻もありましたが幼虫は見つかりません。孵化直前の少し頭が出ている卵も見つかりました。
オオヒカゲ(卵)
産卵ポイントの近くに樹液が出ている樹があり、複数の個体が集まっていました。
オオヒカゲ(吸汁)
広角でも何度か挑戦しましたが、逆光からでしか撮影できないので苦労しました。
オオヒカゲ(吸汁)
周囲では求愛シーンなども観察できたのですが、うまく撮れませんでした。生き残っているのは雌だけと思っていたので、明らかな求愛は驚きました。周辺を飛ぶところは、まずまず写っていました。
オオヒカゲ(飛翔)
地面で吸水するシーンも何度か観察できました。これも夏場はほとんど見ることができない生態です。
オオヒカゲ(吸水)
昼過ぎに着いたのですが、産卵行動はあまり観察できません。
30分に一度くらい産卵場所を探して飛ぶ雌が来ますが、撮影しやすい位置で産卵してくれません。
なんとか写しましたが、まだまだ綺麗な雌だったので残念です。
オオヒカゲ(産卵)
2時頃になると続けて産卵行動が5回くらい観察できました。
一度だけボロボロの雌が良い位置で産卵したのですが、刺激したつもりはないのに2卵を産卵して飛び去りました。
もう少し近づいて撮影したかったのですが、仕方ありませんね。
オオヒカゲ(産卵)
その後はまた30分くらい産卵行動が見れなかったので諦めて引き上げました。
卵塊で産卵するので、条件が良ければもっと良い撮影ができるはずです。来年の課題としたいと思います。
この日の観察ですが、ときおり雲が出るものの、天気は晴れです。
昼過ぎから産卵行動は観察できましたが、2時前後が多かったのは記載のとおりです。
まだまだ陽射しもあって明るい状況です。卵が多く見つかったのは、少し日影になっている場所ですが、産卵を観察したのは明るい場所です。